2011年11月24日

<核燃>ロシアの再処理提案文書を隠蔽 「六ケ所」の妨げと


 ロシアが02年、日本の原発の使用済み核燃料をロシアで一時的に貯蔵(中間貯蔵)したり、燃料として再利用するため処理(再処理)するプロジェクトを提案する外交文書を送っていたことが関係者の話で分かった。内閣府の原子力委員会や経済産業省資源エネルギー庁の一部幹部に渡ったが、六ケ所村再処理工場(青森県)稼働の妨げになるとして、核燃サイクル政策の是非を審議していた国の審議会の委員にさえ伝えなかった。当時、漏水事故の続発で再処理工場の安全性を疑問視する声が高まっており、不利な情報を握りつぶして政策を推し進める隠蔽(いんぺい)体質が浮かんだ。

 ◇02年、国の審議会にも伝えず

 東京電力福島第1原発事故を受けて設置した政府のエネルギー・環境会議は核燃サイクルを含むエネルギー政策を抜本的に見直す方針。情報隠しが判明したことで、政策決定の妥当性に厳しい検証が求められそうだ。

 文書は02年10月25日付でA4判2ページ。尾身幸次・元科学技術政策担当相宛てで、ロシア語で書かれており、ルミャンツェフ原子力相(当時)の署名がある。受領した在ロシア日本大使館が日本語訳を付け、内閣府原子力政策担当室(原子力委員会の事務局役)幹部らに渡した。大使館はさらに04年初めまでにエネ庁の一部幹部にもファクスで送ったという。

 尾身氏は担当相を務めていた02年9月、モスクワなどでルミャンツェフ氏と会談。文書は「会談は原子力部門における露日の共同活動の最も有望な方向性を明確に示すことを可能にした」とし、「一時的技術的保管(中間貯蔵)および(再)処理のために日本の使用済み燃料をロシア領内に搬入すること」を提案する内容だった。

 03〜04年、経産相の諮問機関「総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会」や原子力委の「新計画策定会議」が、使用済み核燃料をすべて国内で再処理する「全量再処理路線」継続の是非を審議していた。約19兆円とされる高コストやトラブルの続発を受け、六ケ所村再処理工場に初めて放射性物質を流す「ウラン試験」開始に異論を唱える委員もいたが、ロシアからの提案は知らされなかった。結局、再処理継続が決まり、04年12月にウラン試験が行われた。

 経産省やエネ庁の関係者によると、エネ庁幹部は当時、周辺に「極秘だが使用済み核燃料をロシアに持って行く手がある。しかしそれでは六ケ所が動かなくなる」と語っていた。海外搬出の選択肢が浮上すると、全量再処理路線の維持に疑問が高まる可能性があるため、隠蔽を図ったという。ある関係者は「ロシアの提案は正式に検討せず放置した」、別の関係者も「原子力委とエネ庁の技術系幹部という一部の『原子力ムラ』で握りつぶした」と証言した。

 原子力委は委員長と4委員の計5人。他に文部科学省や経産省からの出向者らが事務局役を務め、重要な原子力政策を決定する。【核燃サイクル取材班】


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2011年08月19日

<原発マネー>66年以降2.5兆円 立地自治体縛る

 原発や関連施設が立地する道県や市町村、周辺自治体に対し、交付金や税金の形で国や電力会社からもたらされた「原発マネー」の総額は、原発が営業運転を始めた66年以降、少なくとも2兆5000億円に上ることが毎日新聞のまとめで分かった。原発関連の固定資産税や寄付を公表しない自治体も多く、実際にはさらに巨額になることが確実だ。原発の今後を考える際に原発マネーの扱いは避けて通れない課題となりそうだ。

 経済産業省資源エネルギー庁の資料や自治体への取材などからまとめた。原発マネーの中心は74年成立の電源3法に基づく交付金と、原発などの施設に市町村が課税する固定資産税で、それぞれ約9000億円。原発を抱える全13道県が電力会社から徴収する核燃料税も6700億円に上る。電力会社からの寄付も、把握分だけで530億円あった。

 標準的な行政に必要な財源のうち独自の収入で賄える割合を示す「財政力指数」で見ると、立地自治体の豊かさが目立つ。総務省によると、財政力指数の全国平均は0.55(09年度決算)で、町村では0.1台の所も多い。原発立地21市町村への取材では、過半数の11自治体が1を超え、他も1に近い所が大半だ。

 原発マネーはインフラや公共施設の整備に使われてきたほか、近年は福祉や教育など住民生活に密着した分野にも活用が進む。北海道泊村が財源の5割を依存するなど、どの立地自治体も原発マネーへ強く依存している。「脱原発」を進める場合、財源を失う自治体が甚大な影響を受けるのは必至の状況だ。【まとめ・日下部聡】

//comment
仮に原発からの税収が0円になった場合に、現在のサービスを維持しようとすると他の税金がいくら必要なのか、もしくはサービスの質がどこまで落ちるのか。そういった具体的な例が見てみたいところです。
posted by 北海道頑張れ at 13:17| 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月15日

三菱重工、加圧水型軽水炉原子力発電所の安全対策への対応を強化


三菱重工業は、8月1日付で「安全高度化対策推進室」を原子力事業本部内(神戸)に新設し、西日本の電力会社で採用が多い加圧水型軽水炉(PWR)を使用した原子力発電所の安全対策への対応を強化すると発表した。

同社は、3月11日の東日本大震災直後に安全対策本部をタスクフォースとして立上げ、東京電力福島第一原子力発電所で起きた全交流電源喪失への対策をPWR原子力発電所へ展開するなど、各種緊急安全対策へ全力で対応してきた。

しかし、今後、政府の事故調査結果に基づく新たな安全基準の整備が予想されるほか、非常用電源や海水ポンプが使用不能となった場合の対策、さらにはストレステストの実施など、中期的な対応強化が必要となることから、専任組織を設置することとした。

新組織はベテラン技術者を含めた約20名で構成。新たな安全コンセプトや各種計画を実際の詳細設計や工事に展開するとともに、新設プラントを所掌する軽水炉プロジェクト部や、既設プラントを所掌する原子力保全技術部などとの連携をはかって、PWR電力各社の要請に迅速に応えていく。

同社は、PWR原子力発電所の一層の安全強化を原子力事業の当面の最重要課題と位置づけ、安全対策をPWR電力各社とともに全力で取り組んでいくとしている。
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2011年07月04日

<脱原発>50年の経済影響なし 東京大准教授試算


 2050年に「脱原発」を実現した場合の国内の経済影響はほとんどないとの試算を、茂木源人(げんと)・東京大准教授(社会戦略工学)がまとめた。太陽光パネルをすべて国内で生産し、未利用の土地を活用することなどの条件が前提で、実現には政府の姿勢が鍵になりそうだ。

 試算は電力会社の依頼を受け実施した。

 現在、日本の電源は原発約3割、火力約6割、太陽光を含むその他が約1割。試算では、太陽光パネルの寿命は20年で、発電量は年率1%で劣化するとした。50年までの電力需要を考慮し、(1)原発を段階的に廃止し、その分を太陽光が代替する(2)原発はそのままで、太陽光が普及していく分、火力を減らす(3)原発はそのままで、太陽光は住宅への普及限度の1000万戸まで増え、その分の火力が減る−−の3ケースで分析した。

 その結果、50年の国内総生産(GDP)は、(1)536兆円(2)533兆7000億円(3)536兆1000億円で、ほぼ同レベルになった。

 この理由を、(1)と(2)で太陽光パネル製造や設置費など40年間で162兆8000億円が投入され、製造工場などで雇用が生まれるためと説明している。

 東日本大震災前の原発の平均発電量を得るには、1万平方キロの設置面積が必要だが、現存の耕作放棄地などを活用すれば可能という。

 一方、電力料金については、20年代半ばに1キロワット時あたり0・6円上がるが、大量生産が実現する30年に元に戻ると分析した。

 茂木准教授は「当初の太陽光発電のコストは他電源より高いが、国内ですべて生産すれば経済の足を引っ張ることはない」と話す。【藤野基文】

//comment
休耕田に太陽光発電を設置することにはやぶさかではないと、どこかの大臣が言っていた気がします。
あとは割高になっても国内で生産できるかどうかが鍵でしょうか。
どちらにせよ今の政府には何も決められない気がしますが……。
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2011年07月03日

20年後の電気料金、原発撤退なら月2千円増


 東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、原発存続の行方が注目される中、日本学術会議の分科会(委員長=北沢宏一・科学技術振興機構理事長)は、原発の撤退から現状維持・推進まで六つの政策の選択肢ごとに、標準家庭(1か月約6000円)の電気料金が、どれくらい増えるかの試算をまとめた。

 原発を放棄し、太陽光などの再生可能エネルギーに移行した場合の負担は大きく、逆に維持すると負担は小さくなるが、同分科会は、今後、原発の安全規制が強化され、存続しても負担増になる可能性もあると指摘。秋にも最終報告をまとめる。

 試算は、エネルギー政策の議論に役立てるのが狙い。政府や大学などが公表する発電コストのほか、温室効果ガス削減の国際的取り組み、15%の節電、人口減少、原発の安全対策などにかかる費用をもとに検討した。選択肢は、大きく分けて原発の「撤退」、全発電量の約30%を原子力が占める「現状の維持」、50%まで拡大する「推進」。撤退は、全原発停止の時期によって4ケースに分けた。

 現在、稼働中の原発が定期検査を迎える来夏までに全原発が停止した場合は、火力発電に切り替えた後、温室効果ガスを減らす再生可能エネルギーの比率を高めていく。国際的な削減目標を達成するための対策が本格化する2030年には、標準家庭1か月の電気料金の上乗せは、2121円と算出した。

//comment
月2,000円で全原発を廃止できるなら安いものだと思います。
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2011年06月28日

仏大統領、原子力計画に10億ユーロ=原発推進を堅持


 【パリ時事】フランスのサルコジ大統領は27日、エリゼ宮(仏大統領府)で記者会見し、「フランスは将来の原子力計画に10億ユーロ(約1150億円)を投資する」と表明した。福島第1原発事故を受け、欧州諸国でエネルギー政策の見直しが進む中、引き続き原子力を発電の中核に据える方針を明確にした。

 サルコジ大統領は会見で、原子力分野の投資対象として、将来の原子炉のテクノロジーと、原子力の安全強化に向けた研究を挙げた。また、原発の新規建設凍結について「老朽化する既存原発を使い続けることになり、論外だ」と否定した。

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原発は放射線技術の発展に欠かせません。そして放射線技術を必要とする分野は、ガン治療を始めとして多岐に渡ります。原発はエネルギー効率に優れていますが、制御が難しく、脆いのも確かです。だから建設する場所は選ばないといけません。例えば日本で決して地震が起きないのであれば、原発を否定する理由はないでしょう。
フランスが原発の適地であるなら、原発を推進することは最先端の放射線技術を磨くことにも繋がり、国に大きなメリットをもたらすと思います。
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2011年06月22日

夏の電力不足の試金石、福井の対応に政府焦燥感


 東京電力の原子力発電所事故以降、定期検査を終えた全国の原発が再稼働できなくなった問題で、政府の焦燥感が強まっている。

 多くの原発を抱えるため全国的に注目されている福井県を説得できるめどが立たないことが大きい。政府は月内にも中長期の安全対策を示して地元の理解を得たい考えだが、当の福井県は原発停止中でも課税できるよう関西電力と大筋合意するなど、問題の長期化に備えた着実な動きをみせる。政府が乗り越えるべきハードルは高くなるばかりだ。

 「電力需要がピークを迎える7月が近づいている。1日でも早く再稼働を実現させたい」。経済産業省幹部はこう語り、電力不足への危機感を強めている。

 事態打開の糸口とされるのが“原発銀座”とされる福井県の対応だ。関電と日本原子力発電で計13基の原発がある福井県では、停止中の6基うち関電の2基が再稼働できる状態。しかし、地元が同意しないため運転を見合わせており、経産省幹部は「同様の状況の佐賀県とともに説得に力を入れている」と語る。

 それでも福井県の姿勢は変わらない。経産省は3月末、電力各社に緊急安全対策を指示し、安全性にお墨付きを与えたが、福井県は「津波対策に偏っている」などと反発したままだ。

 そんな中、福井県は関電との間で、核燃料価格に応じて電力事業者に課税できる地方独自の核燃料税を12%から17%に引き上げるとともに、停止中の原発にも出力に応じて課税できる国内初の方式を採用することで大筋合意した。

 地元にとって原発停止の弊害は、税収や雇用がなくなることだ。停止が続いても税収を確保できる道筋がつけば、その分、再稼働に向けて態度を軟化させる可能性が低下しかねない。

 政府は福井県との溝を埋めようと、国際原子力機関(IAEA)への報告書の内容を踏まえた対策を月内に提示する。具体的には(1)運転開始40年を経過した原子炉の老朽化による影響(2)個別施設の耐震性(3)中長期的な安全対策ーなどを盛り込む考えだ。

 ただ、福井県はこれらに加え、安全基準そのものを抜本的に見直すよう求めている。政府内では「要望に対応するには政府内での十分な議論が必要で、すべてを今夏に間に合わせるのは不可能だ」(経産省幹部)と指摘される。海江田万里経済産業相は全国に出向いて説得する意向だが、「福井県から訪問を要請されているわけでもない」(同)との声も漏れている。

//comment
関西電力が増税にすんなりと同意したのは、原発の再開がスムーズにいけばと考えたからです。税金が入るならいいやと原発再開を拒み続けるのであれば、いつかその税金も途絶えるでしょう。そのことを理解した上で反対しているのなら良いのですが。しかし、原発が恐ろしいのも事実です。一度停めてみて、社会がどうなるのか、そのことを経験するのも有意なことだと思います。
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2011年06月20日

高速増殖炉「もんじゅ」課長が自殺 トラブル復旧を担当、今月中旬から不明

 日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で昨年8月に原子炉容器内に炉内中継装置が落下し、抜けなくなっている問題で、復旧作業にあたっていた燃料環境課の男性課長(57)が自殺していたことが22日分かった。

 関係者によると、課長は今月14日、同市内の山中で遺体が発見された。現場付近から遺書なども見つかったことから、自殺とみられるという。今月中旬に行方不明になり、家族から福井県警敦賀署に捜索願が出されていた。

 燃料環境課は、燃料交換などを扱う部署。40%出力試験に向けた昨年夏の炉心確認試験前後からトラブルが多発している。関係者によると、同課は国のヒアリングなどを受ける機会も多く最も忙しい部署。課長も同部署の勤務が長かったという。
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脱原発のスイス当局が福島事故を厳しく指摘「想定外の事態ではない」


 【ウィーン=木村正人】2034年までに寿命を迎える原子力発電所の全廃を決めたスイスの原子力安全当局が福島第1原発事故について「想定外の事態は何一つ起きていない」と日本の安全対策の不備を指摘する報告書をまとめていたことが19日、分かった。原発の安全強化策を協議する国際原子力機関(IAEA)閣僚級会合が20〜24日開かれるが、こうした加盟国の厳しい目が日本側の対応に改めて注がれそうだ。

 スイスの原子力安全当局が事故を分析して5月5日に同国政府に報告した。

 産経新聞が入手した報告書によると、(1)緊急システムに津波防護策が施されていなかった(2)冷却用水源や電源の多様化が図られていなかった(3)使用済み核燃料プールの構造が内外の衝撃に対して無防備で確実な冷却機能もなかった(4)原子炉格納容器のベント(排気)システムが不十分だった−と指摘されている。

 その上で「携帯用ディーゼル発電機やポンプの備えがあれば、もっと短時間で原子炉への注水を再開できた」として少なくとも2号機と3号機の炉心損傷は避けられたと分析。「最初の3日間に3号機と4号機の使用済み核燃料の加熱と放射性物質の放出を防ぐために貯蔵プールに注水できなかった事実はもっと不可解だ」と厳しく批判した。

 報告書は「過去500年に福島第1原発の安全基準を超える津波が19回も起きているのに十分な対策を怠ってきたことは日本の安全基準への不信感を醸成している」とも指摘している。

 スイスの国民議会(下院)は今月8日、既存の原子炉5基を順次停止する脱原発議案を可決している。

 一方、日本を現地調査したIAEAの調査団は閣僚級会合で調査報告書を発表するが、IAEA派遣団の一員として2007年の新潟・中越沖地震で自動停止した柏崎刈羽原発の損傷を調査した英ブリストル大のウィリー・アスピナル教授は「IAEAが独自に調査して改善を求めるというより現場を視察して日本側から調査結果の報告を受けただけ。それが日本政府の要請だった」とIAEAの調査能力の限界を指摘する。
ラベル:日経新聞 IAEA
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2011年06月15日

「福島原発のリスクを軽視している」 「安全説」山下教授に解任要求署名


 福島第1原発から放射性物質が放出されて続けている問題で、一貫して「安全・安心説」を唱えていると受け止められている識者が、福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの山下俊一・長崎大学教授だ。1年間に許容される被曝量として「20ミリシーベルト」という数字が議論になるなか、山下氏は「100ミリシーベルト以下のリスクは分からない」との立場を崩していない。これが「リスクを軽視している」と批判を浴びており、NGOは、解任を呼びかける署名活動を始めている。

 山下氏は、長崎市生まれの被曝二世。1991年から約20年間にわたって、チェルノブイリやセミパラチンスクでの被曝者治療に携わっている。05年から2年間は、世界保健機関(WHO)のジュネーブ本部で放射線プログラム専門科学官を務めている。福島県の放射線リスク管理アドバイザーには3月19日に就任し、県内の講演会で「放射能を『正しく恐れる』ことが大事」などと説いている。

■「年間100ミリシーベルト」の評価

 山下氏に対して解任要求をしているのは、FoE Japanやグリーンピース・ジャパンなどの環境NGO。6月10日に菅首相や佐藤雄平福島県知事に宛てた要請文の中で、(1)特に放射線量が高い地域において、避難・疎開・夏休みの前倒しを促進すること(2)子どもを含む県民の内部被ばく検査の実施、など4項目を要求。そのなかの一つに、山下氏の解任が入っている。要請文では、

「低線量被ばくのリスクを軽視し、『100ミリシーベルトまでは、妊婦も含めて安全』との言動を福島県内で繰り返しています」

と山下氏を批判。署名活動を7月6日まで展開するという。

 山下氏の発言で主に批判が集中しているのは、「100ミリシーベルト」の評価と、住民を避難させる範囲についてだ。

 例えば、5月3日に、福島第1原発から50キロ以上離れた福島県二本松市で行われた講演会では、山下氏は

「100ミリシーベルトで、5人くらいがんのリスクが上がることが、長年の調査結果で分かっている。100ミリシーベルト以下は分からない。明らかな発がんリスクは観察されていないし、これからも、それを証明することは非常に困難」

と発言。

「二本松は危険だから逃げろ」という声があることについては、

「とんでもないこと」

と反論。

「皆さん、現実、ここに住んでいるし、住み続けなければならない。広島、長崎もそうだったし、チェルノブイリもそういう状況。そういう中で、明らかな病気は、事故直後のヨウ素による子どもの甲状腺がんのみ。このような現実をもって話している。国の指針が出た段階では、国の指針に従うのが国民の義務だと思うので、そのような内容でしか答えられない」

と発言し、「国の指針に従うのが国民の義務」という発言が、さらに地域住民の反感を読んだ模様だ。

■「30キロ圏外でも必要ならば避難させなきゃだめ」

 その後も、山下氏は「100ミリシーベルト以下のリスクは確認出来ていない」との立場を崩しておらず、5月24日発売の「週刊朝日増刊 朝日ジャーナル 原発と人間」の中では、

「1回、100ミリシーベルト浴びると、例えば細胞に傷が100個できます。1ミリシーベルト受けると細胞に傷が1個できます。100個の傷にはときどきエラーが起きますが、1個の傷は体がすぐ治します。遺伝子は傷がついても治るという生物学的な生命現象が大前提としてあるので、僕は、微量の被曝には過敏になるな、と言っているんです」

と主張。「潮」11年6月号では、

「原発の放射性物質によってがんにかかりうるといっても、がんは日本人の3人に1人がかかる病気だ。確率論的に誰にでも起こりうる病気なのに、『放射線のせいでがんにかかる』と心配して生活を台無しにしても仕方がない」

とも述べている。

 ただし、住民を避難させる範囲については、前出の朝日ジャーナルの中で

「僕は飯舘や浪江、川俣の一部の数値が高いのを見て、自主避難ではだめだ、きちんと命令してあげないといけないと言ってきたんです。国に対しても、30キロ圏外でも必要ならば避難させなきゃだめだとも言ってきました」

と述べており、講演会での発言との整合性を問われる可能性もある。

 6月13日に行われた福島県議会の特別委員会でも、山下氏のアドバイザー解任を求める声があがっており、今後も波紋は広がりそうだ。

//comment
この記事だけ読むと、山下教授の何が問題なのかがさっぱり分かりません。

山下教授は2つの事実を述べています。
・100_シーベルトで発ガンリスクが高まることが、長年の研究で分かっている。
・100_シーベルト以下では明らかな発ガンリスクは観察されていないし、証明することも非常に困難。

つまり、100_シーベルト以下が危険である客観的事実はない、という事実を述べているだけです。それが何故、低線量被ばくリスクの軽視に繋がるのかが良く分かりません。

山下教授はその道の専門家であり、アドバイザーです。故に、客観的事実に裏付けされた事実以外を口にすることは許されません。100_シーベルト以下でも危ないかもしれない。けれどそれが証明されていない以上、危険だとは言えません。もちろん安全だとも言いませんが(少なくとも記事の中では言っていません)。

100_シーベルト以下でも怖いかもしれません。けれど科学的に危険であることが証明されていない以上、安全である可能性が高い。だからそれを信じて理性で行動する。それが科学者であり、理性で本能を抑え込むことができる人間の特権です。

専門的、かつ客観的な事実を述べるのがアドバイザーの仕事であり、それを聞いて判断を下すのはもうちょっと上の人の仕事ではないでしょうか。
posted by 北海道頑張れ at 04:41| 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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